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20164/16

英ガーディアン紙が選ぶ2015年の第1位!夫婦間の亀裂を描く映画『さざなみ』が関西でも上映スタート!

45年の結婚生活に不穏な空気をもたらす1通の手紙…。アカデミー賞主演女優賞ノミネートを始め、多数の女優賞を総なめ!イギリスが誇る名女優シャーロット・ランプリングの演技が光る『さざなみ』が4月16日(土)よりテアトル梅田ほかでロードショー!

結婚45周年のパーティーを6日後に控えた円満な老夫婦。そこに届いた1通の手紙

それは、かつて夫が付き合っていた女性の遺体が発見されたという知らせだった。

 

シャーロット・ランプリング演じる老婦人ケイトの前に、突如として現れた「夫の前の女」。

トム・コートネイ演じる夫、ジェフの動揺と懐古の感情を、ケイトは決して見逃さなかった。

 

亡くなった元カノの昔の写真を探したり、遺体を確認しに行こうとしたり、そうしたジェフの「過去の掘り起こし作業」が加速するのに比例し、ケイトの嫉妬の炎も大きくなってゆく。

しかし、もうはるか昔の話。それも結婚前の話。しかも、「その女はもう死んでいる」というのに…

 

 

幸せに満ちた2人を徐々に浸食していく不穏な空気…

ケイトとジェフはその変化をほとんど表に出さない。そこまで険悪なムードにはならないのだ。

この映画で描かれるのは「押し殺した感情」であり「見えない確執」である。

 

『タイタニック』の主演2人が夫婦役を演じて話題になった『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』という、鬼気迫るほど凄まじい夫婦バトル映画があったが、あれとは真逆である。

些細なことが原因で夫婦間に亀裂が生じ、二人の様相が変化していくというテーマは同じだが、本作『さざなみ』で描かれるのは静寂の中にうごめく激情だ。

 

この映画の原題は「45 Years」(45年間)だが、邦題の『さざなみ』のほうが個人的に気に入っている。

「さざなみ」とは「小さい波、弱い風が吹くときに水面にできるシワのような波」のこと。なんとも言い得て妙なタイトルである。

 

ちなみに、驚くほど誰もこの映画のレビューで触れていないのだが、ケイトが屋根裏部屋でこっそりスライドを見るシーンに注目してほしい。

「どうしてケイトは大昔に亡くなった女にここまで嫉妬するのか?」という疑問の答えがこのシーンにはある。

ケイトの感情を理解する上でとても重要な場面だ。

 

70歳の名優シャーロット・ランプリングが魅せる圧巻の演技。

 

さすがイギリス王室から大英帝国勲章を、ヨーロッパ映画アカデミーからは生涯貢献賞を授与されている伝説的大女優。

シャーロット・ランプリングの演技は自然体なのに凄みがある。

 

面持ちは笑っていたり平静に見えたりするのに、たぶん怒っている。

静かな佇まいの中に苛烈な激情をたぎらせる老女に完全になりきっている。

 

彼女が今回演じたこの複雑な役柄、2003年の彼女の主演作『スイミング・プール』をどうしても連想してしまう。

本作と合わせて観てほしい逸品だ。

 

以下は本作『さざなみ』でシャーロット・スプリングが受賞・ノミネートした映画賞の一部である。

 

◆ベルリン国際映画祭・銀熊賞(主演女優賞) 受賞

◆全米映画批評家協会賞・主演女優賞 受賞

◆ロサンゼルス映画批評家協会賞・主演女優賞 受賞

◆ボストン映画批評家協会賞・主演女優賞 受賞

◆ヨーロッパ映画賞・女優賞 受賞

◆ロンドン映画批評家協会賞・主演女優賞 受賞

◆インディワイアー映画批評家協会賞・主演女優賞 受賞

◆アカデミー賞・主演女優賞 ノミネート

その他、多数。

 

作品情報

監督:アンドリュー・ヘイ

出演者:シャーロット・ランプリング/トム・コートネイ

 

関西での公開情報

テアトル梅田     4月16日〜

シネマート心斎橋   4月16日〜

京都シネマ      5月7日〜

シネ・リーブル神戸  5月14日〜

 

©The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2014

© Agatha A. Nitecka

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