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20162/13

世界中を奈落の底に叩き落した問題作!2015年度カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品『サウルの息子』が遂に関西上陸!!

カンヌ国際映画祭グランプリ、ゴールデングローブ賞を受賞したサウルの息子が関西で公開です。1時間47分、全編を通して非常にショッキングな映像が続きます。心臓の弱い方、妊娠中の方は十分注意してください。

580万人のユダヤ人が処刑された人類史上最悪の虐殺現場へ、観客は否応なしに放り込まれる!

逃げ場なし!希望なし!戦慄と狂気が渦巻く前代未聞のホロコースト強制体感映画!

息が詰まり、身の毛もよだつ、とんでもなく恐ろしい記録映画です。

ホロコーストを描いた映画は今まで数多くありましたが、ここまで鬼気迫る臨場感で描かれた作品は初めてだと思います。

 

この映画の舞台はかの有名なアウシュビッツ強制収容所。第二次世界大戦時にヒトラー率いるナチス党政権下のドイツが創りだした、強制収容所と言う名ではあるものの実際は処刑場でした。

 

次から次へと運ばれてくるユダヤ人たち。彼らは到着するなりガス室に追い込まれ、無残にも殺害されていきます。

 

現場作業員たちの手によって、淡々と円滑に「処理」されていく様は、言い方は悪いですがゴミ処理場と何ら変わりありません。

なんと本作、最初から最後までこの地獄絵図が続きます。それもそのはず。主人公サウルはここで働く現場作業員=通称「ゾンダーコマンド」なのです。

 

映画史を塗り替える斬新な撮影手法と音響効果

この映画には他の映画とまったく違う点が2つあります。

まずは撮影手法です。カメラは常に背後霊のように主人公サウルに寄り添い、一人称視点で克明に描かれます。

画面には常にサウルがアップで映され、背景は常にピンボケ状態。カメラが周囲を捉えることはほぼありません。

 

しかも画面サイズは4:3、これは35mmフィルム時代の写真や映写機から始まり、ブラウン管時代のテレビとも同じサイズです。撮影機材やデジタル技術の進化により昨今の映画やテレビでは16:9が標準となっているため、横幅が削られているということになります。

 

この演出によって観客は1944年当時のアウシュビッツにいるサウルと同じ閉塞感、焦燥感、圧迫感を共有することになるでしょう。

 

もう1つの違いは音響効果です。この映画には音楽が一切使われていないのです。

ドラマチックな演出は皆無で、ひたすら無機質で無慈悲な「作業工程」が描かれます。

それなのに本作『サウルの息子』はやかましい。うるさいんです。

サウルの耳に入る音すべてが忠実に再現されているので、悲鳴、絶叫、嗚咽、ヒソヒソ話、そして生々しい作業音・・・サウルが聞く全ての音を観客は共有します。逆に言うとサウルに聴こえない音は観客にも聴こえません。

 

もうおわかりでしょうか?

本作は映像と音響が対極になっているのです。映像はサウルの周囲だけとかなり制限されていますが、音響は周囲360度の全てをありのままで観客に伝えてきます。

観客は主人公サウルが直面する現場の惨状を無意識に想像し続けるのです。

 

この非常に巧みな没入促進効果によって、観客はまるでその場にいるかのような切羽詰まった心境に陥ることでしょう。

 

この常軌を逸した惨状・・・不特定多数の人間がうごめく修羅場を、より一層リアルに追体験するには映画館という場所で不特定多数で鑑賞することが最適なのは言うまでもありません。

 

「サウルの息子」に込めた監督の強い思い

監督を務めるのは実際に家族をアウシュビッツ強制収容所で殺害されたハンガリー出身の新人監督、ネメシュ・ラースロー。

本作『サウルの息子』は彼の長編デビュー作となります。

ラースロー監督は「見る映像ではなく、感じる映像を撮りたい」という思いを込めて「美しく描かない。魅力的に描かない。娯楽作品にしない」というルールを自ら設けて本作を完成させました。

 

世界中で絶賛の嵐、ついに大阪で公開へ

2015年に公開された『サウルの息子』は世界中で栄誉ある映画賞を数多く受賞し、ついに2月13日からシネ・リーブル梅田やシネマート心斎橋での公開が決定しました。

関西にお住まいの方はぜひこの機会に見に行って欲しい映画です。

 

受賞歴

◆第68回・カンヌ国際映画祭 グランプリ 受賞

◆第88回・アカデミー賞 外国語映画賞 ノミネート

◆第73回・ゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞 受賞

◆ナショナルボードオブレビュー 外国語映画賞 受賞

その他、多数。

 

シネ・リーブル梅田 2月13日(土)~

所在地:〒531-6003 大阪府大阪市北区大淀町1-1-88梅田スカイビルタワーイースト3・4F

電話番号:06-6440-5930

FAX番号:06-6440-5932

Eメール:cl_umeda@ttcg.jp

◆シネ・リーブル梅田 公式HP

http://www.ttcg.jp/cinelibre_umeda/

 

シネマート心斎橋  2月13日(土)~

所在地:〒542-0086 大阪府大阪市中央区西心斎橋1-6-14ビッグステップビル4F

電話番号:06-6282-0815

◆シネマート心斎橋 公式HP

http://www.cinemart.co.jp/theater/shinsaibashi/

 

サウルの息子

監督:ネメシュ・ラースロー

脚本:ネメシュ・ラースロー、クララ・ロワイエ

撮影:エルデーイ・マーチャーシュ

音響:ザーニ・タマーシュ

キャスト:ルーリグ・ゲーザ 、モルナール・レヴェンテ 、ユルス・レチン

トッド・シャルモン、ジョーテール・シャーンドル

原題:Saul fia

製作年:2015年

製作国:ハンガリー

配給:ファインフィルムズ

上映時間:107分

 

(C) 2015 Laokoon Filmgroup

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